社会学者によって用いられる概念に
これは
計算が可能で、意識しやすい「経済資本(経済力, 金銭)」とは異なる「資本」
無形で 実態のつかみにくい社会的資源を指すものです
文化資本の代表的なものには教養
社会関係資本の代表的なものには人脈があります
多くの人々は
安定を求めて
「経済資本」お金 を得ようとします
もしくは
「経済資本」を獲得するための手段として
「文化資本」や「社会関係資本」を位置づけています
例えば
高い収入を得るためには
良い会社に入りたい
そのためには、学歴(文化資本)が必要と言った具合です
「経済資本」を手にすることが
手っ取り早く 分かりやすい目標だと考えるのです
でも
実際は どうでしょうか?
「社会関係資本」つまりコネがあれば
学歴など無くても
「良い会社」に入ることができますし
何だったら 実力者の紹介で
不労所得を 得られる可能性もあります
(どこかの大企業のCEOの親戚がそうでした...)
また
いくら「経済資本」を溜め込んでも
後継者に「文化資本」を提供出来なければ
「経済資本」はあっという間に
失われてしまいます
このような現実を踏まえて
「経済資本」は
「文化資本」や「社会関係資本」よりも
流動性が高い と言われます
つまり
いくら経済的な補助をしても
「文化資本」「社会関係資本」が豊かにしなければ
効果は 薄いのです
特に
「文化資本」の底上げを はからなければ
格差は是正されていきません
...
さて
大学時代に学んだ そんな教養(文化資本?)を
わざわざ 引っ張り出してきたのには
理由があります
新型肺炎の感染拡大に伴って 休校要請が出てから 一週間弱
「文化資本」「社会関係資本」の重みを
痛感させられてきた からです
子供たちが、二週間も自宅で過ごすことがわかってから
親として
いかに その時間を有意義に用いることが出来るかを
考えてきました
SNSで教えていただいた知育アプリを入手し
学校から紹介されたサイトからプリントをダウンロードしました
しかし
そのプリントを印刷しながら
ふと 思いました
「これは面倒だ...」と...
関心のない親御さんなら
きっと
こんな手間なことはやらないでしょう
「物」があっても 気持ちが無ければ
「教育」は成り立たちません
見守る側が学ぶことに意義を 見出していなければ
子供の意欲も 関心も 伸ばすことは出来ません
また
流れてくる情報もキャッチ出来ないのです
ただ
誤解していただきたくありません
私は ここで 価値観の良し悪しを論じたいわけではないですし
まして
「意識の低い親」を非難するつもりも ありません
そもそも
公教育の現場で、良い成績を取ることには
相対的な価値しかないと
心底 思っています
けれども
保護者の「文化資本」は
ある程度、次の世代に 引き継がれるということは
やはり 指摘しておかなければいけません
休校によって 給食が提供されなくなったことは
貧困家庭にとっては 大きな打撃でしょう
これは 深刻な課題です
しかし
それと 同時に
情報格差、意識の格差が
負の連鎖をもたらすということも
合わせて 考える必要があると思います
ここ数年
多くの教会が 子供食堂を開くようになりました
また
小学生のために 児童館のような場所を
設けている教会もあります
これらは 間接的な経済支援であり
「社会関係資本」にも繋がります
その延長線上に
子供の現実と 親の視野のズレを 埋める何かがあれば
より多面的なサポートが出来るのではないでしょうか?
いわゆる「お勉強」に限らず
絵画、書道、料理、スポーツ、音楽、手工業など
教会の「社会関係資本」を生かして
子供達に届き
彼らの「文化資本」を豊かにできるなら
それは 素敵なことです
...
と 言っても 口ばっかりで
自分自身は
何も 行動に 起こせていないんですけどね笑
【関連記事】
Comments