▼ゼンメルワイスは出産直後の女性が高熱に苦しむ産褥(さんじょく)熱の予防に取り組む。注目したのは医師の手や指の汚れ。解剖や手術をしたばかりの医師から診察を受けた産婦に患者が多かった。同僚に手洗いを熱心に呼びかけて、せっけんや爪切り、塩素水を常備した▼病原菌の正体すら謎に包まれていた時代である。「産科医たちをまるで殺人者呼ばわりしている」と医学界は猛反発。大学を追われ、失意のうちに亡くなったという。「感染防護の父」と称されるのは死後のことだ(南和嘉男〈わかお〉著『医師ゼンメルワイスの悲劇』)
「産科医たちをまるで殺人者呼ばわりしている」
...
危険回避、危機管理に取り組むことには
人の気分を害し 誰かの心を傷つけるリスクが伴う
ということを教えてくれる事象ですね...
こういった感情的な反発は
しばしば
教会内でも 起こります
特に悲しいのは
正体すら謎に包まれている問題ではなく
キリスト教界が既に経験してきた課題について
その歴史的教訓が 全く顧みられないことです
「我々を無知呼ばわりしている!」
「我々の努力を無駄と言っている!」
と怒る前に
他者の知識と労苦を
踏みにじっていないかと
吟味する者でありたいですね
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