お菓子の中でも
チョコは好きな方ですが
その中でも
エアロはお気に入りの部類に入ります
英国では
80年前から販売されているロングランの商品のようで
air(気泡)を入れた独特の食感が 特徴です
このエアロは
当然、「空気」「気体」「空中」を意味するaeroから
来ているわけですが
同じルーツを持つ言葉は、新約聖書のギリシャ語にもあります
ἀήρ aēr(G0109)
この語の意味として
古典ギリシャ語をカバーした『ギリシャ語辞典』には
このように記されています
霧; (αἰθήρに対し)下層の空気, 空気, 空
しかし
岩隈直編『新約ギリシヤ語辞典』には
次のようにあります
空気, (昔は上層のαἰθήρに対し下層の, 地上に近い空気を意味したが, 後には一般に広く用いられた)
言葉の意味合いが、広がっていったんでしょうね
両方を含めた説明がなされています
❶the atmosphere immediately above the earth’s surface, air
❷the space above the earth, sky, space, air
ⓐof space as locale of celestial bodies or phenomena
ⓑof the political domain of transcendent being or powers
では
実際に どんな箇所で 用いられているのでしょうか?
新約聖書の用例は たったの7回です
人々がわめき立て、上着を放り投げ、ちりを空中にまき散らすので、
使徒の働き22:23
ですから、私は目標がはっきりしないような走り方はしません。空(くう)を打つような拳闘もしません。
コリント人への手紙第一9:26
同じようにあなたがたも、舌で明瞭なことばを語らなければ、話していることをどうして分かってもらえるでしょうか。空気に向かって話していることになります。
コリント人への手紙第一14:9
かつては、それらの罪の中にあってこの世の流れに従い、空中の権威を持つ支配者、すなわち、不従順の子らの中に今も働いている霊に従って歩んでいました。
エペソ人への手紙2:2
それから、生き残っている私たちが、彼らと一緒に雲に包まれて引き上げられ、空中で主と会うのです。こうして私たちは、いつまでも主とともにいることになります。
テサロニケ人への手紙第一4:17
それが底知れぬ所に通じる穴を開くと、穴から大きなかまどの煙のような煙が立ち上り、太陽と空はこの穴の煙のために暗くなった。
ヨハネの黙示録9:2
第七の御使いが鉢の中身を空中に注いだ。すると大きな声が神殿の中から、御座から出て、「事は成就した」と言った。
ヨハネの黙示録16:17
使徒の働き、コリント人への手紙では
「大気」「空」と言うよりも
人のすぐそばにある「空気」を指しているのでしょう
しかし
エペソ人への手紙では
より象徴的な意味合いで
(the political domain of transcendent being or powersの意味で)
用いられているように思います
一方で
テサロニケ人への手紙、ヨハネの黙示録に関しては
「空」という意味にとれる訳し方がなされています
ただ興味深いのは
テサロニケ人への手紙4:17, ヨハネの黙示録16:17のἀήρは
(ESV, NETでは9:2も)
"air"と訳されていることです
英語のairやaeroは
飛行機に関連する言葉としても用いられますので
空気だけでなく 空をも 連想させるものです
しかし
それでも
"in the air"と訳されるか"in the sky"と訳されるかでは
何となく 響きが違ってきますよね
実際
どちらの意味に近いのかは
他の語との繋がりの中で
判断するしかありません
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