「私たちは
「旧約学」を学んでいるのではなく
「旧約」を学んでいるんです」
神学校の時
恩師が繰り返し
語っておられた言葉です
旧約学者の提唱した諸説を整理して理解すること
現在の旧約学会のトレンドを掴むこと
それは 学びの目的ではなく
あくまで手段だということを
繰り返し教えられました
ただ
とは言っても
「旧約学」を学ぶことにも
意味があります
異なる教えに立ち向かうため
そして
自分自身の視野の狭さを自覚するために
巷にはどのような見解が流布しているかを知ることは
有益なことです
そのような旧約学の思想的潮流を掴むため
『旧約聖書神学用語辞典』を通読してみました
根本主義キリスト教で育った私にとっては
なかなか付き合いが難しい書物
「もっと素朴に本文を読めば良いのではないか?」
「学説にとらわれすぎていて不自由だ...」
「さすがに読み込みが過ぎる」
など
ブツブツ文句を言いながら読んでいました
とはいっても
ただの苦行ではありませんでした
イデオロギーと神学の関係
視点、立場による見え方の違いなど
自身の盲点、思考の傾向に気づかされました
また 副題に「響き合う信仰」とあるように
聖書の教えの共鳴に耳を澄ませられたのも
感謝なことでした
旧約で用いられているモチーフは
互いに無関係のものではなく
有機的に結びついてきます
その繋がりを辿ることは
「旧約学」の学びではなく
旧約そのものに触れる経験だったと
振り返っています
もう二度と通読はしないでしょうが笑
今後も使っていく辞典になるでしょうね
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