まず審査を受けさせなさい。そして、非難される点がなければ、執事の職につかせなさい。
新改訳 第一版 テモテへの手紙第一3:10
バプテスマを受けて間もない頃に
この箇所を根拠に こんなふうに語られるのを聞いたことがありました
「執事については、審査を受けるように言われている
けれども、監督、長老については何も語られていない
だから、長老は審査を受ける必要がない」
と…
当時は「そんなもんかなー」と思っていたのですが
その後、5、6年経ってから
複数の英語訳に「also」という語が入れられていることに気づきました
And let them also be tested first; then let them serve as deacons if they prove themselves blameless.
And these also must be tested first and then let them serve as deacons if they are found blameless.
そこで
原文を確認してみると
たしかに文法的には「も」と訳しうることを知りました
今回の新改訳2017でも
「この人たちも、まず審査を受けさせなさい。そして、非難される点がなければ、執事として仕えさせなさい。」
と訳されています
では
「この人たちも」と言われているのは
誰を含めて「も」なのでしょうか?
文脈から考えると 当然
「監督たち」のことでしょう
ティンデル聖書注解 実用聖書注解には
それぞれ このように記されています
執事の任命には、他の教会役職一つ一つと同じく、注意深い精査が要求される。
ドナルド・ガスリー著『テモテへの手紙・テトスへの手紙』(ティンデル聖書注解)
10節. 原文には「彼らも」とあり、直接の言及はないが, 監督の場合の審査が前提となっている(参照5:22).
柴田敏彦「テモテへの手紙第一」『実用聖書注解』
この経験から教訓として 教えられたのは
聖書翻訳 という実践から程遠いと思える営みが
意外と教会運営上の判断に
もろに影響を与えるということです
あらゆる事柄を
ヘブライ語、ギリシア語に基づいて
判断するのは難しいでしょうが
教会の歩みを 方向づける重要なことに関しては
注意深くありたいものです
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