「知の再発見」双書134『死海文書入門』
- おいまつ÷のぞむ
- 2019年5月28日
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宗教は政治的動向とは無縁ではいられませんし
それを研究する学問も世界情勢の影響を受けます
死海文書を書いた共同体が
エルサレムに居を構える中心的な存在だったなら
おそらく彼らの遺産は
1000年以上も保存されることはなかったでしょう
ユダヤが滅ぼされた際に
ほとんどが消失してしまったはずです
意識的に選んだにせよ 強いられたにせよ
彼らが 周辺に 生きていたことが
彼らの文書が 残っていく きっかけとなったのです
また
その文書が発見されたのが
1940年代だったということも
数奇な巡り合わせです
激動する時代だったからこそ
興奮と困難が伴いました
そんな変転する環境の中で
地道に かつ 創造的に
研究を重ねた学者たちによって
残された断片が 歴史を語る資料として
整理されていきました
死海文書とその研究史には
単なる考古学的関心を超えた魅力が
ありますね

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