top of page
執筆者の写真おいまつ÷のぞむ

スコット・マクナイト著『福音の再発見』を読む4.1

更新日:2020年3月18日























そこから(コリント人への手紙第一15:3-5, 15:20-29)は、イエス・キリストの福音の物語は聖書(私たちにとっての旧約聖書)に見られるイスラエルの物語を完成、完結させるものであることが分かる。ここで用いられている重要な言葉は、「聖書の示すとおりに」だ。使徒の福音とは、「聖書が示すとおりに語るイエスの物語」なのである。…

福音の再発見』p.65より




イエス・キリストの福音の物語は

聖書に見られるイスラエルの物語を完成、完結だと

捉えることは

私たちの伝道のあり方、価値観、生き方を

どのように変えるのでしょうか?




クリストファー・ライトは

このように語っていました


…福音の伝道は、ただ単に私たちに関する事柄ではないからです。「キリスト教」という宗教への改宗者の数を増やすという、それだけのことではないのです。それは神の偉大な聖書の物語を証ししていくことなのです。神が、ご自身が造られた世界を救うために何をなさったのかを分かち合っていくことなのです。神の約束、イエス・キリストを通してなしてこられたこと、そしてかの日に神が完成なさる、その出来事を証しするのです。
 ですから、福音を分かち合うということは、これらのことすべてを証しすることです。ただ単に私自身の出来事を証しとして語るだけではなくーもちろん、神が自分になされたことをそれぞれが分かち合うことはとても大切なことです。他の人に自分の証しをそれぞれがしなければなりませんがーしかし、私たちは時に、神が「私に」してくださったことだけを分かち合うことで終わってしまい、神がキリストを通してなされたことの全体像を見失うことがあります。福音というのはただ単に、私のこと、私の感情、私の救い、だけではないのです。福音には歴史の中で起こってきた客観的、歴史的真理があります。それが第一の点です。神がイエス・キリストを通してなさってこられた福音、そのストーリー。



多くの場合 伝道集会では

私たち人間 もっと言えば 私個人に 関わる部分が

「福音」の中から 抜粋して語られます


私の将来 特に死後の現実に

「福音」が

どんな変化をもたらすのかにのみ

焦点があてられるのです




しかし

それだけでは

福音の全体像が見失われてしまうと

ライトは述べています


福音の伝道は

本来

神の偉大な聖書の物語を証ししていくことなのです




それは

いっときに

いくつかの項目を説明するような形で

話しきれる内容ではありません


時間をかけて

追体験できるように

語り聞かせていくことが

望ましいでしょう




ただ

このアプローチは

まどろっこしく じれったく感じるかもしれません


けれども

福音は人の全領域に

影響を及ぼすものなのですから

ストーリーを

じっくりと馴染ませていくことは

妥当なのではないかと思います







また

価値観、生き方に関しては

ライトは 同じ講演の中で

次のように述べていました


これは私たちを、第二の点へと導きます。福音の広がり(the scope of the gospel)です。神は福音と呼ばれるわざによって何を成し遂げてこられたのでしょうか。…ひとり子なるイエス・キリストが十字架でいのちをささげることを通して、神は何を成し遂げようとされたのでしょうか。十字架にかけられた殺されたイエス・キリストが三日目によみがえられたときに、神は何をなさろうとしておられたのでしょうか。新約聖書は非常に大きな広がりをもって、それらの問いに答えます。
 「ケープタウン決意表明」から見ていきたいと思います。…
「福音はこう宣言する。キリストの十字架の上で、神の御子という方において、私たちの代わりに、神は私たちの罪が当然受けるべき裁きをご自分の身に引き受けた。この偉大な救いの業は復活によって完成し、証明され、宣言された。この救いの業において、神はサタンと死とすべての悪の力に決定的勝利を勝ち取り、それらの力と恐怖とから私たちを解放し、それらが最終的に破滅することを確実にした。神はあらゆる境界線と敵対関係を超えて、信じる者とご自身との間に、また信じる者どうしの間に、和解を成し遂げられた。神はまた、全被造物の究極的和解という神の目的を成就し、イエスが肉体をとって復活したことを通して、神は私たちに新創造の最初の実を与えてくださった。「神はキリストによって世をご自分と和解させた。」」

『再生へのリ・ビジョン』p.38-39より


「ケープタウン決意表明」には

「全被造物の究極的和解」にまで至る福音の広がりが

示されています




この壮大さは

私たちの世界観を

一変させるものです


この福音理解によると

教会だけでなく

家庭、職場、地域、社会など

私たちが遣わされるあらゆる場が

福音がもたらされる所であり

十字架が中心に据えられるべき所なのです


だとしたら

私たちがそこに向き合う姿勢

そこで ささげる祈りは

当然 変わってくるでしょう




また

単に 私たちの心構え 変化していくだけでなく

福音自体に 人を作り変える潜在力があるのです


ライトが引用していた「ケープタウン決意表明」には

このようにあります


私たちは福音が生み出す変革を愛する。福音とは、世に働きかけ、人生を変革する神の力である。「それは、信じる者すべての救いのための神の力である。」(ローマ1:16)...パウロは、福音が生み出す倫理的変革を神の恵みの業ととらえた。この恵みは、キリストが最初に来られた時に私たちの救いを成就した恵みであり、キリストが再び来られることを念頭に置いて私たちに倫理的に生きるようにと教える恵みである。(テトス2:11-14)

福音に従順に生き

復活のキリストに身を委ねていく中で

私たちは 教えられ 育てられていくのです


福音とは、世に働きかけ、人生を変革する神の力

福音は、倫理的変革を生み出す恵みの業 です


福音は私たちの身体と人生の隅々に

浸透しうる可能性を秘めたものなのです




その生き証人になる と思うと

少しプレッシャーに感じますが

けれども

目撃者という意味での「証人」でもあるのですから

「良き知らせ」の「良さ」を

全身で 堪能していきたいですね











【関連記事】


閲覧数:42回0件のコメント

最新記事

すべて表示

神とともに歩む, 神の前に歩む(創世記)

新改訳2017 エノクはメトシェラを生んでから三百年、神とともに歩み、息子たち、娘たちを生んだ。 創世記5:22 エノクは神とともに歩んだ。神が彼を取られたので、彼はいなくなった。 創世記5:24 これはノアの歴史である。ノアは正しい人で、彼の世代の中にあって全き人であった...

ローマ人への手紙16:7

私の同国人で私といっしょに投獄されたことのある、アンドロニコとユニアス(別訳「ユニア」(女性))にもよろしく。この人々は使徒たちの間によく知られている人々で、また私より先にキリストにある者となったのです。(新改訳第三版)...

ความคิดเห็น


bottom of page