スコット・マクナイト著『福音の再発見』を読む7
- おいまつ÷のぞむ
- 2020年9月4日
- 読了時間: 4分
更新日:2020年12月24日
さらに、私たちの信条をも知る必要がある。先に述べたように、信条と聞くと落ち着かなくなる人たちは多い。しかし、教会の知恵は信条の価値と信仰の告白のうちにある。そこで、オンラインで早速、使徒信条やニケア信条を検索し、ぜひ読んでみてほしい。できれば暗記してみよう。それから、改革派信仰告白集や、あるいはローザンヌ誓約やマニラ宣言のような最近の告白集などの、ほかの信条も読んでみてほしい。あなたは信条という概念が好きではないかもしれないし、信条を公の場で斉唱することにも抵抗があるかもしれない。教会で起立して斉唱する人たちの中には、ろくに信じているわけでもない人もいると重々承知の上で、それでも皆と一緒に信条を暗唱した経験のある人も少なくないだろう。しかし、福音の文化を形づくる者たちに加わりたいと願うなら、長い年月の間、福音が教会に何をしてきたのかを知る責任が、あなたにもあるのだ。
『福音の再発見』.222より
信条は
ただの お勉強の道具ではありません
福音の文化を形作るもの
共同体の形成のために 活用されるべきものです
信条には
異なる教えと対決し
信ずべきものを明らかにする役割もありますが
それは
真理を教え込むためのものでもありました
ジョン・リースは 次のように述べています
諸信条は歴史のなかから生まれてきた。それはキリスト教共同体そのものの生活のなかから、そしてその存在を脅かすもろもろの力に対してキリスト教共同体が対応するなかから発展してきたものである。従って、信条はどれもそれらが書き下ろされた時代と場所とを映し出している。しかしいったん書かれ、共同体において基本原理とされるや、今度は信条が歴史を作り、そしてそれぞれの信条に固有の共同体を形成していく。
…
諸信条は教会で多くの機能を果たしてきた。教会の典礼のなかでは中心的な役割を受け持ってきた。「信仰基準」の形をとって、説教の指針となってきた。信仰告白そのものが、神の言に対する共同体の応答として、礼拝のなかでも不可欠の要素をなしてきた。信仰告白を礼拝における特別の行為として含めてきたのは当然のこと、避けられないことであった。エウカリスティア(聖餐)の典礼においては特にそう言える。信条的な文言は、初めから洗礼式と結び付いていた。初めは洗礼を受けようとする者に対する試問事項としてまとめられたものであったが、後に3世紀のローマで、洗礼を受ける準備の一環として宣言文のかたちをとった信条が出現した。それは式のなかで洗礼志願者に信仰が「伝授され」(traditioned)、続いて志願者が「応答」(redered back)するという劇的な瞬間に用いられたのであった。
John H. Leith「信条」『キリスト教神学事典』
聖書の読み方を教え
聖書の真理を伝授し
聖書にある共同体を形作ってきた信条
そんな実用的な信条が
礼拝、伝道、信仰継承の場から
失われてしまっているのは
とても 残念なことです
また
C・E・B・クランフィールドは
「使徒信条」の重要性を述べる中で
次のようなエピソードを紹介しています
…使徒信条は教会が攻撃にさらされたときや(あるいはもっと危険なことであるが)自分とはかかわりのないものとして無視されるかもしくは害のない新奇なものとして保護されるかするとき、新たな回復の起点として、決定的な役割を果たしうるのである。1933年以前のドイツでは、プロテスタント教会において、牧師だけが礼拝で使徒信条を唱えることが一般的であった。しかし、1933年以降は、会衆が信条の唱和に加わり始めた。教会員たちは、教会に対するナチの攻撃に直面して、自分たちの信仰を個人的にも公にも告白するために、そうすることを望んだのである。異なる伝統や言語、国家をもつキリスト者、さらには異なる世代や世紀のキリスト者をひとつに結びつけるものは、いかに優れていようとも、個人や教派あるいはキリスト者のグループによって作成された特別な声明であるよりは、使徒信条という、より効果的で力のある媒体なのである。
もし使徒信条が定期的に用いられる教会で、形式的にではなく、深い理解と新たな確信を持って唱えられるなら、それは健全なことである。教派や国家の境界を超えて、さらに時代をも超えて、わたしたちをひとつに結びつける定式によって、わたしたちの共通の信仰をともに告白するという心おどる経験や感動を発見することは、たとえ使徒信条をほとんど告白しない教会にとっても、活力を与えることとなろう。
C.E.B.クランフィールド著『使徒信条講解』p.11-12より
信条は
教会に
忍耐と活力を
もたらしてきた
実用的であることを超えて
生命線ともなると思うと...
定期的に 斉唱してみたくなりますね


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